20年前、瀧とユースケは同じレーベルだった。
瀧：バカだなーこいつ、と思って。浅田（次郎）先生が現場にいらっしゃって、どんな現場なのか一回見に来てみようかと思って、と「本日、浅田先生より差し入れの○○と○○をいただきました」軽食とどら焼き
ユースケ：すごいいいところのね
瀧：美味しいどら焼き。みんなわー（拍手）現場ではそういうのあるんです。さっと落ち着いた時にユースケが「本日は浅田先生のオール手作りということで、ありがとうございました！」（笑）
ユースケ：手作り
瀧：浅田先生がそれ聞いた瞬間「ん？」
ユースケ：僕も一回ね、睨むとかじゃないんですよ。
中井：シーーーンって
瀧：なるじゃないですか。それ見た瞬間「こいつほんまのバカだな」と
中井：それで懲りなかったでしょ、この人は。
ユースケ：それで、モノを見るような目で見たんですよ浅田さんが。
中井：そのあとに「義理の父でぇす！」って言ったの（笑）
ユースケ：浅田さん見たら、僕を見てるようで
中井：ユースケさん自身を見てもいなかったもんね
瀧：完全ノーリアクション。目的がわかんないじゃないですか。中井さん、どう思ってんだろうなと思って。
ユースケ：まず中井さんがやると決まってたんですよ。で「瀧とユースケがいい」と言ってくれたらしいんですよ
中井：3人のキャスティングが決まった時に、爆発の仕方みたいなものがケミストリーで変わってくるんじゃないかと。 その二人とやっていけるなら幸せですと言ったのね。でもさ今俺らがやってる仕事って、いろんなコンプライアンスに縛り上げられてて今回もその役がヤクザだってことで、ロケができない場所がたくさんあった。でもさ、俺らのやってることって所詮嘘じゃない？
瀧：ありもしないこと
中井：ありもしない世界じゃない？それにクレーム入れられても余計お客様に面白いものが伝えられなくなる・・
瀧：出入り同然みたいなシーンですけど、ね、乗り込んで「やっぱり（シート）ベルト締めたほうがいいですか？」「もちろんです」 しめて行かなくちゃいけない。キーって言ったら カチッと外してからのっていう
ユースケ：あのシチュエイションってしない・・
中井：拳銃持ってる方が悪いんだから（笑）最近タバコ吸うシーンって見たことある？
瀧：タバコ吸わしてくんないっすよね
中井：ダメなんでしょ？
ユースケ：人が来たって言ってポイッと捨てるのもできないですよ。もしあったとしても携帯灰皿でこう・・
瀧：そういうことでこっちも染み付いてきちゃって、道歩くときも路側帯の内を歩いたほうがいいの？って。助監督に聞いたりする自分がいたりして、自分で外出て歩いたら 「いやっ瀧さん、そこは芝居はいらなかったんですけど。出ちゃってたんでもう１テイク」って言われると萎えるじゃないですか。
中井：そこを理解してくれるかっていうのが、見て側の責任でもあるんだよね。作り手も多分理解しなきゃいけない。相互関係が構築されない限りはやっぱりなかなか面白くならない。
瀧：濡れ場シーンもさ、地上波だったらおっぱい出なかったりするわけ？
ユースケ：おっぱい出さなきゃいけないんですよ（笑）乳首。 乳首出しちゃいけないってね。そりゃねーだろって（笑）昔は、それが出るから見ようって人が。「俺は乳首が目当てだったんだ」って。物語が面白いなって
中井：テレビはそういう箱だった。下世話な。俺ら小学校の時に、眠い目をこすって、親には寝たフリをして、匍匐前進でテレビの前に行って、テレビをつけて11PMを見る。ガラッと音がするからパチっと切るけど、ブラウン管だから小さく光が残る。それでテレビを見てたことがバレる。
瀧：テレビが泣くんですよね
中井：ネットとかで変遷もあるんだけど「頑張れよぉテレビ」って気持ちがどこかに強くあるようだ。
瀧：ユースケは、おっぱいを茶の間に届ける第一人者としてやってもらおうじゃないか
ユースケ：ふたりの協力があれば、やります。
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