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まとめ・文字起こし+ココログ過去記事集。

ボクらの時代 小泉今日子×中井貴一×宮本理江子(後編抜粋追加)

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宮本さんはドラマディレクター。フジ初の女性ディレクター。
作品に「風のガーデン」「ビーチボーイズ」「きらきらひかる」など。
山田太一の長女。入社して最初の連ドラは「男も女もなぜ懲りない」中井貴一主演

宮本:(酔って)担いで帰ったのは覚えてる
小泉:担ぐほどじゃない。部屋に入ってベッドに突き倒して「じゃあね!」って。
宮本:すみません
小泉:謝るほどじゃない

中井:その時俺いなかったんだよね。飯食い行って終わって海見に行って帰ったら誰もいない(笑)今のドラマ界ってリハーサルやらなくなったのを宮本理江子が復活させ、どんなにスケジュールがなくてもリハーサルやって、みんなで作り上げていく形が (「最後から2番目の恋」の)パート1だった。


小泉:続があるとはね
宮本:でも終わったときすごい寂しかったから、こういうのもう1回続けばいいな~と思いつつ、続があるとは思わなかった。
中井:なんでこの世界に入ったの?お父さんの影響?

宮本:全然この仕事するつもりなかった。大学でも通訳やって、翻訳とかで生きていくつもりだったんですけど母が「1回会社に入ったら?」っていう。
小泉:80年代。
宮本:そうですね。一番元気で楽しい時代
中井:バブル。
小泉:アッシー君とかメッシー君とは関係ないけどその頃CM女王としてね。
中井:今は違う意味で女王w

小泉:CM撮影とかも、月に1本新しいのが撮れる。海外ロケとか。
中井:周りのおじさんがすごい浮かれてたりとか。今の子達は不景気が影響してて、恋愛にしても生活設計にしても例えば「男が女の前でカッコつけなくてもいい、見栄はらなくていい」非常に現実的なのは悪いとは思わない。1回そういうの(バブル)味わうと、女の盾になれっていうのをそういう時代に教わった気がする。人生の無駄を教えてくれた感じがする。
宮本:無駄って楽しいことだった
小泉:ここよりもっと先の世界へって思えてた


中井:ここんとこすごい仕事してた気がする。「あまちゃん」も拝見してたし。小泉今日子が出るものは見ようと思うのですよ。家族に「お前はファンか」って。続で芝居が変わった気がする。前は踊っても「あたしアイドルの時の癖が残ってる」とか言うんですよ。今は一切なくなった。なにした?


小泉:恋はしてないですよ。興味持たれても「キョンキョンと酒飲みたい」が80%・・でもこんなのと向き合う自体めんどくさいんじゃない?


中井:全然そう思わない。懇親会的に食事しましょうって意味感じないけど、芝居は本人が浮き上がってくる。小泉さんは実像と芝居しないタイプ。持っている役を背負っている・・実像は関係なく。余計に本人が浮き出てくる。小泉今日子の弱さ真面目さは   一番僕が知ってる。本質の方に魅力がある。小泉今日子と付き合いたい人は一緒に芝居をすればいい。好みのタイプ?なくなりましたね。空気感が自分が合うのがタイプ
宮本:若い時は頭で考えてると思う。「自分はこういうのが好き」って。それが取れてくるっていうか
中井:「机上の空論」考えてることが絵空事であるのが分かってくる。

小泉:あたしも具体性が全くなくなって。韓国ドラマとかいっときものすごく好きになって。現実にいらない。1回おばさんの域に入っちゃったんですよ。現実に恋愛したら
絶対ヤな思いするもん。もう飽きた。チャレンジする気力がなくなった。

中井:引っ張るタイプに見えるでしょ?引っ張られるのも好き。男らしさにキュンとするタイプ。小泉さんが恋愛に向かない話をしてるけど俺も自分の中におばさんがいて、小泉今日子の中には、男女のバランスが取れてる。それが崩れたら恋愛に行く。

小泉:男の方に傾いたら、禁断の?(ジョディ・フォスターみたいな)レズビアン女優?(爆笑)
中井:死ぬまでパイオニア
小泉:どっちに傾くか楽しみにしててくださいw

中井:長嶋茂雄さんと食事したとき「誰になりたいですか」って聞いたら「イチロー」僕それ聞いてグッときて。彼の努力とセンスは秀逸だって。俺は木村(拓哉)君に学ぶことが多い。年功序列だけど、役者は実力の世界だから後輩にも学ぶことが多い

小泉:この前(AKBの)握手会で怪我しちゃった子いたんだけど、あたしたちの時も日常的にすっごいやってて。何人かの人が暴行を受けて。あたしもステージで生卵ぶつけられた。あたしを狙ったわけじゃなくたまたま当たったんでしょうけど。今までなかったのが嘘。大人の人たちも考え直して守ってあげるといい。小さい頃テレビ見て憧れたんだから。


中井:こういう事件が起きて(握手会を)やめましょうってなるんじゃなく。世の中が規制されて行くと、ドラマで表現できるものも少なくなっていく。ある舞台でもタバコの煙嫌だったら使えないってなったり。だっておかしいでしょ。事件を犯して逃げる犯人がシートベルトしちゃ。そういうことの寛容さは世の中が持たないと。息苦しい社会にしないのは俺らの世代のテーマ。「若い奴は」っていうより「てめえはどうなんだ」

後編


中井:意外と現場は喧々囂々
小泉:あたしがスケバンみたいになりまして
中井:そう言われても返事のしようがない。飯島直子ちゃんが一番真面目
小泉:先輩を立ててくれたり
中井:そういう体育会系なところはレディースを見るようなw
小泉:優しいんですよ。すっごく。
中井:例えば、キョンちゃん、キョンキョンとか後輩が呼ぶと「ちょっと!早いんじゃない?キョンキョンって呼ぶの」
小泉「10年早いんだよお前」って言う。
中井:若頭的な感じ。
宮本:そういう男気もあるんだ。
中井:女らしさを持ってる人は男気を持ってる。宝塚の男役の人が、女らしかったりする伝説があるけど、僕の数少ない女性経験からすると男らしさと常に背中合わせ。

小泉:この人と仕事したら絶対信頼できる。

中井:小泉今日子を見ていると食事の後飲み足りない時がある時、一人で酒場に向かっていく後ろ姿。振り返らない背中から漂う「何処へ行くとか聞かないで」気を遣われることが嫌い。業界チックなポジションなのに付き合ってみると一番遠いところにいる。    10代の頃からアイドルだった人が。


小泉:一人の人間として普通に何でも出来る人じゃないと、生きてる意味がないじゃないですか。


宮本:デュエットの時、小泉さんが「あまちゃん」みたいにディレクターの所へ行って、訊きながら自分で判断していく姿を見て、プロデューサーとかディレクターもイケるんじゃなかと思った。


中井:協調性とか独創性とかもいるんだけど小泉さんは、唯我独尊の後ろ姿を残しつつ実は協調性を重んじる。人を操るタイプ。自分も裏方になりたかった。

小泉:私も中学生だったから歌手になりたかったわけじゃなく「オーディション番組にみんなが出てるから」最初のうちは辞めたくてしょうがなかったけど、理想もなかったからやってこれた。「笑っていいとも」に出たときタモリさんに「こんなに長く、よくやってこれましたね」って言ったら「そんなにやりたくなかったからできたのかも」って。わかるなぁその気持ち。


中井:りえ坊にとってお父さんってどんなの?
宮本:父の仕事は、なんかこう書いてんだな。家でブツブツ台詞言いながら書いてた。父の書斎があってチョコレートを取りにいくのが楽しみだった。普段はおしゃべり。父も母も。
中井:俺、今でも直立不動しちゃう
宮本:え?なんで?ちっちゃいおっさんなのに?(笑)
小泉:似てるしね。
中井:オヤジは映画俳優だったけど、早く亡くなってる。ずるいなと思ったのは、早く亡くなる人はヒーロー的になるじゃない?俺生まれた時4000gあった。みんなが「佐田啓二さんに息子が生まれた」って見に来るんだけどホント写真見ると渥美清さんそっくりなんだ(爆笑)佐田啓二さんイメージして見に来るから「えっ・・」姉は父ソックリで美形。「まぁ可愛い」ってなるんだけど、俺には「可愛い」の形容詞がない。「元気そうな男の子ね」唯一小津安次郎が「この子はいい子になる」言ってくれたってばあちゃんが言ってた。親が生きてる2世と俺は全然違う。俺が2歳の時になくなってるから実像知らないし。昔フィルムセンターで並んでみました。


小泉:(95年、中井貴一が34歳の時初共演の頃)「俺はもうすぐ父のなくなった年齢を超える」って言われた。それがすごく印象に残ってる。


中井:ガキの頃から仏壇の写真を見て、オヤジは37で亡くなったんだけど、4~7歳の頃ってまだ先の話だと思うじゃない。それが25ぐらいになったときはたと「あと12年しか俺は生きれないのか」誰にも相談できない。それをちゃんと真摯に聞いてくれたのは小泉今日子だけ。「そういう不安ってあるんだね。あたしたちにはまだわかんないけどきっとそういう不安、あるんですよね。人間って。あたしも芸能界にそう友達がいないんです。だからどっかで会った時に大きく手を振りましょうね」
  
    

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