佐野洋子の話
僕、言葉あんまり好きじゃないんですよ。できるだけ言葉を使いたくない。
すっごく手が早かった。
佐野さん52歳、谷川さん58歳で結婚(再婚同士、谷川さんは3度目)
谷川:「手が早い」って、ぶったりするってこと?
有働:出会ってすぐに口説くみたいな
イノッチ:お心あたりは(笑)
谷川:全然ないです。
佐野さんの谷川さん評がひどすぎる。
「無常識」とんでもない野郎
お育ちもよろしいし、お行儀もよろしいし、揉み手もちゃんとなさる。お作品はあのとおり素晴らしいし。
だけどこの人は、見えてる通りぐらいでお付き合いをしていれば、その見えてる通りがずっと通って行く人だと思うんですけれども、よく見ると実に変な人で、 言ってみれば地球の上で生きていてはいけないようなとんでもない野郎じゃないか...モラルってものがない。
非常識っていうのは「常識」があって「非」なんですよね。
だけどこの人は「無常識」だと思います、私。ほんとのこと言えば?佐野洋子対談集より
谷川: 宇宙人って呼ばれてましたから。宇宙人には常識があっちゃいけない。もう昔話はやめましょうよ(笑)
日々は指摘されませんけど、批評家の方が言いますね。「二十億光年の孤独」我ながら反省してますけど。
自分のポジションがすごい気になるんですよ、若い頃って。一人っ子で兄弟喧嘩もしてないし。親の子供とか友達の友達とか、宇宙の中の生き物と思ったらしい。今はもうちょっと常識がありますけどね。
生活は大事にする人間なんですよ。実生活よりいい詩を書く事って人が結構多かったけど、まず金をちゃんと稼いで妻子を養うのは、基本的にずっと変わってない。
佐野洋子の偏見ですよ。批評家としての発言。批評家ってのはだいたい偏見持ってますからね。僕は恵まれてる。批評家が日夜批評してくれる。みんな当たっちゃうと思っちゃう。
口喧嘩はもちろんするけど、相手の批評に反省することが多かった。日々反省。
感情じゃなくて、理詰めで赤ん坊の立場に立つ。自分のなかに赤ん坊も少年もいる。幼児の気持ちも赤ん坊の気持ちも、ある程度想像できる。
言葉を超えたいと思って詩を書くんですよ。言葉ってどうしようもないじゃないですか。今の国会見てたってさぁ、全然言葉って困ったもんだと・・
イノッチ:悲しくなっちゃう(笑)
言葉には意味がない。もともと不可能なことをやるのが「詩」なんですよ。
いわゆる電子メディアで読むのと、本で読むのでは全然違いますね。電子メディアで読むことあるんですけど、なんか味気ないんですよね。意味しか通じない。詩ってのは意味以外のものがいっぱいあるんですよ。言葉の音とか、具体的なイメージとか。
だけどディスプレイで読むと、情報と全く同じように、詩が見えてしまう。詩が立って来ない。本になると、個性みたいなものが詩を応援してくれるというのかな。
朗読は「おやおや」
詩はなくても生きていけるけど、音楽なかったら生きてゆけない。しがない人生。
「4」のないTシャツを着てて「他人にしがないとは言われたくない」だってw
一人息子、広瀬玄さん
母・佐野さんは人に対してどんどん入ってこようとする人。「毛生えたんだって?見せてみろ~」とか。谷川さんといてくれたときはすごく楽だった。