鴻上:そもそも、あなたがこの3人だって声をかけたの。
鴻上:声は、いいっすもんね。ちょっとハスキーで。その声だよたぶん、男を惑わすの。
山下:その声のまんまで歌うジャズ。
高岡:なんかほんとに・・ありがとうございます。あたしこういうお二人に囲まれると子供でいれるなぁ。
山下:(高岡の父とは)高校時代からの友人で、彼はギターを弾いてたんですね。彼が初心貫徹っていうかな、ジャズ喫茶を開いて。
鴻上:音楽仲間でもあったわけですか。
山下:そうです。早紀ちゃんのママと一緒になる前から知ってる。早紀ちゃんを親代わりにして見てるから。
高岡:何見に来てくれても、孫か子供かわかんない。早紀ちゃんが出てこないとつまんないって。
山下:楽屋に行ってさぁ「一番輝いてたよ」って言うと「その言い方は娘が学芸会に出た時の言い方だよ」って
鴻上:叱られたんだ。
山下:さすがだよ「学芸会を褒めてんじゃねぇよ」(笑)
高岡:それどこまで(笑)あたし誰ですかw
山下:啖呵切られたんだな、そこまでのところで勝負してるなと
鴻上:だって去年舞台の演出してて「そんなたくさん、できない!」
山下:あ、そういうやつなの?
鴻上:「うるさい!」も言った。
高岡だめだめ、冗談ですんで。
鴻上:いいえっ。「うるさいっ」がね、べらんめえになってるから楽しい。普通女優さんで「・・っさいわね」だと「チョッ待って」入れないじゃないですか。この人「うるさい!」「僕はうるさいって言いますからね」
高岡:「四谷怪談」で素っ裸になった時は驚いた。
鴻上:画面に向かって叫んだ?親代わりだからね。僕は叫びましたよ「あ”あああー!!」女優として四谷怪談外伝みたいなね、わりとたくさんお見せする時はですよ、どれぐらい前からケアするの?
高岡:カラダ?こんなこと言っちゃいけないんですけど、何かのために用意周到な準備をするとかできないんですよ。
鴻上:じゃ「明日ヌードです」「はいわかりました、パーン!」ってやるの?
高岡:だって明日ってことにはならない。スケジュールの中にあるけど。シーンにそれがあっても役としてメインなわけじゃない。
山下:後年映画音楽やってみて、賞を獲るのは大変だと(「ジャズ大名」が初担当、「カンゾー先生」で優秀音楽賞)
鴻上:譜面ちゃんと書けるんですね。握りこぶしじゃなくて。
山下:「ラプソディ・インブルー」あれは音楽史に残る有名な話。ガーシュインはピアノソロだし、オーケストラはグローフェ。ちゃんと分業が成り立ってる。最初から公にしてる。(ゴーストライターが)頭にあるの。そもそもジャズにあれは起き得ない。名曲に名演奏はないって名言があるんです。デュークエリントンは名曲を書いてますが、やる人が全部変えていく。その場でどのようにうまくそいつが変えるか。勝負を歴史の中で延々とやるの。
鴻上:勝手に変えられると切なくなりません?僕も台本で語尾とか役者さんに直されるとすごく切ない気持ちになるわけ。この前初めて連ドラ書いたんですけど、僕の責任でシナリオすっごい遅れて前の日とかに行くわけですよ。プロデューサーと何十回となく「いるいらない」議論してるわけ。撮影現場にいざ行くと「カット!」って。
高岡:父親が6歳の時に(交通事故で)亡くなってるんですけど
鴻上:なんでそんな肝心なことをいまごろ言うんですか。亡くなったから洋輔さんは親代わりでずっとやってる。そういうことか。
高岡:母がずっと結婚指輪してるんですよ。涙が出そうになる。兄弟がお兄ちゃんと妹二人なんですけど、子供がいるお母さんって再婚とか男の人と付き合うのって結構難しいんです。女ってうるさいじゃないですか。同性に対して。
山下:すごい素敵なお母さん。そっくり。
高岡:父ちゃん似ですよ 、あたし。
山下:こないだたまたまテレビ見てたら「恋はされてますか?」「はい」俺思わずメールして「こらぁ見てたぞ!誰だ!」
鴻上:孫じゃなくて門限うるさい父親。たまたまあす撮影って時に彼が来て激しく求めました。高岡早紀はどうするの?
高岡:対応できるんだったらすればいいし、できないんならやめる。おあずけっていうか・・ふふふふ。あたしの結婚生活は8年。
鴻上:8年も続きましたか
高岡:嫌な言い方w 8年間ちゃんと生活してましたけど未知な部分ってまだまだある。夫婦ってあるじゃないですか。でもあたし仕事好きなんですね。結婚出産は人生の休憩ポイント。子供がいてくれて本当に良かった。もっと楽しく彼らといるためにもっと頑張ろうって。子供いなかったらこんなに仕事してないです。
鴻上:母親でありながら女の部分も残してる。子供も16になると「母ちゃん、またこんな・・」てならない?
高岡:「母ちゃんは母ちゃん、僕は僕」それぞれが尊重してる感じ。「どうしてそんなに頑張ってんの?」って言われる。
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【山下洋輔とタモリ】
鴻上:タモリさんとの出会い、元々はバケツをかぶって中村誠一さんが虚無僧の格好して
山下:浴衣着て踊ってたの
鴻上:ホテルの普通の部屋だよ。そしたらタモリさんが
山下:踊りながら入ってきたから何の違和感もない。面白くなるなら止める理由もない。その男は誠一がかぶってたゴミ箱とって、自分がかぶって、さも「自分の方がうまい」態度で。中村誠一がデタラメ韓国語で怒ったら何倍もうまいデタラメ韓国語で返してきた。これが爆笑で。参った。
鴻上:タモリさんが「時間きたから帰ります」っていうのを
山下:僕らが引き止めた。「あんた誰?」「森田です」福岡に行くたんびに「あの変なことやる面白い人」を人づてに探して。毎回会えるようになった。赤塚さんはタモリを福岡に返さないためにマンションに住まわした。
実はこの頃から好きな女優さんなのよ。
えっ、後編ないんだ。タモさんの話はもうちょっと聞きたかった。