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まとめ・文字起こし+ココログ過去記事集。

サワコの朝 舞台美術監督 種田陽平

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「THE有頂天ホテル」セット模型登場。キル・ビル美術セットも手掛けた。
三谷幸喜は脚本を書くために模型を持って帰る。

記憶の中で今もきらめく曲
アメリカの夜」(73年)
現場に行く時に聴きながらだと元気が出る。これが映画だな。美術の良さが前面に出てる。

便利なだけだとPCで作ろうという風になるんですが、やっぱり、僕らの良さは集団で作るものづくりのよさ。そうでないと、職人さん要らないってなっちゃう。背景を描く、背景画家。空を描いたり。今仕事が無くなってきちゃってるんですね。全部CGだから。どんどん20世紀の美術が失われてきちゃう。そういう仲間たちと、いい映画を残していきたいんです。

最初は(武蔵野美術大学で)油絵を描いていた。子どものころから絵を描いて。きり抜いて立たしたり。当時は自分の好きなキャラクターがなかったんで。好きなアニメーションを再現するためには自分で描かないと。子どもの頃は父親の影響で西部劇好きだったんで。「シェーン」とか。シェーン描いて立たせて。リカちゃんハウスとかも好きだったんですよ。三谷さんと話す時はほとんどその話題。


中国で作った映画はセット作りに1年かかったけど「有頂天ホテル」は1カ月ぐらい。
監督のやりたいことを聞いて、イメージを描いたりして返す。構図をラフに書く。
図を見ながら三谷さんが台本を書く。

清須会議


中庭を挟んでどう演出するか。半分ぐらいは予算と時間の闘い。「あとちょっとあればこれができるんですけど」監督との共犯意識。


キル・ビル


ようやくセットができたのに撮影しなかった。監督が「沖縄の家を作りたい」というから、2カ月かかって。最終日、夜10時ぐらいに「時間がなかった・・」プロデューサーが「がっかりすんな。ちゃんとメイキングで撮ってるから」僕は映画の中に残すのが仕事なんで。意味がない。

三谷さんが「ザ・マジック・アワーのセットを残したい」
種田さんは「一刻も早く壊したい」
映画はドリームに貢献する役割。現実であっちゃいけない。やるんならユニバーサルみたいにテーマパークにするとか。非日常の夢の中に残しておきたいのと何十年も繰り返してきたのできれいさっぱり壊してから次のセットに。次のわくわくがないと。

借り暮らしのアリエッティ


ジブリ映画へのあこがれがあった。実際セットにしてみたら面白かった。宮崎駿さん、建築家みたい。自分で考えて作れる。美術いらず。ジブリの秘密が知りたくて、鈴木さんに誘われて次の仕事を。

日本映画だけじゃないです。テレビドラマ。アメリカでもお客さんの見たいものは長編、連続ものになって来てる。映画館で見る映画は3Dとか。映画の奥行きなんて本当に画面より深く奥に行かなきゃいけないのに前に飛びだしてきてる。僕や三谷さんの役割は「あまちゃん」に負けたくないこと。

今心に響く曲
アデル「Make You Feel My Love」
疲れ果てて寝る時に癒しの曲がなかったので。