プロフェッショナル仕事の流儀
2012年放送
なんか尋問受けるみたいだね
これから何十年も生きるわけじゃないから
今のうちに言っておこう。
縁があって俳優を選んだんだからね
何色でも出来ますって言うカメレオンは真の役者になれない。81歳。
でかい太平洋とかを泳いでいる。
ただ泳ぐだけであの人は立派な絵になる感じ。
差し入れを持ったままで。ストーブにあたらない。
雪降ってても映画の現場で椅子に座らない。そのぐらい周りに気を使う。
自分も一緒になって高倉健を作り上げたと思う。
ロケ現場でもホテルでも健さんが立っているときに、ホッと孤独感があるんだよね。
訂正しまーす。全部タケちゃんの作り話でーす、と謙遜するけど、健さんは基本的に現場で立ち続けることが多い。
なるべく見ていたい。スタッフの努力。いちばんがんばってる人たちがいちばんお金を貰ってない。後ろにいる人たちの力。そういうのが分かるのに何十年もかかる。
緊張しているタケちゃんにアドリブで気を遣う。
北野武:向こうの俳優さんを引き合いに出すけど、(私生活を)見せませんよね。片岡千恵蔵さんに勧められたけどマージャンもやらなかった。中央競馬会のCM2回もやったけど競馬もやらなかった。
実生活の理想は奥さんが亡くなった後若い人と晩年を過ごしたイブ・モンタン。
江利チエミと離婚したのが40年前。
岡村隆史:入院中2回もお手紙くれた。仕事とはどういうことなのか教えていただいた。僕の中でとどめておきますので。
大滝秀治(87)を神々しい、と感動し、短いセリフに涙する。この作品(あなたへ)に出てよかったという。
いい人に出会うといろんなものを貰いますよね。食べるため役者になったが撮影所では「君の目は俳優に向かない」とも言われた。
特に考えさせられたのは、ゴッドファーザーのマーロンブランド。
マフィアの父に会うために疎遠だった息子が会いに来るシーン。
「感性、感受性を大事にする。 意識的に作品を観る。やっぱりね、年齢を重ねないとなかなかそれは・・」
ディア・ハンターにも感銘を受けた。
「デニーロ渾身だけど、もうああいうのは撮れないね。映画ってのは携わってみると忘れられないものがあるよとみんなに伝えたい。もう遅いのかもしれないけど。」
僕の中に法律があるとしたらおふくろだよね。あんた、恥ずかしいことはしなさんな、って。どこへ行っても手を合わせる。
中国は強烈だった、泣いた
追記 2023.4.16・アナザーストーリーズ
クロ現 素顔のメッセージ
主人公が好きにならないと、僕はできません。本当のできる俳優さんというのは、それができなければいけないのかなとは思うのですが。アカデミックな訓練を受けてないから、身をよじりながらやるしかない。ここまで生きちゃったから、これでやるしかない。
本当は同じことは何十回でも何百回でも、舞台の上で、キャメラの前でできなければいけないと思うんですけどね。僕は1回しかできない。そのあとはなぞってる。
幸福の黄色いハンカチ
山田洋次:健さんのやくざって、目が本気なのね。この人はいいカッコしてるんじゃなくて。ちょっと他とは違うなってだんだんわかってきて。思い切って交渉していいんじゃないかと。健さんは、ブルーのジーンズ。おしゃれだなって。
それで、僕は頭に描いてたストーリーを話したの「こういう映画の主役をあなたにやっていただきたい。いかがですか?」って言ったら、健さんはね、「私は体をいつ空ければいいですか」マネージャーが誰も来ないわけ。
長身の健さんが帰り際靴を履いて、立って僕の顔を見て
「山田さん、今日はうれしい日です」一礼して出て行ったの。うれしかったね
武田鉄矢:健さんは「今度の映画のテーマは『ただいま』なんだ。玄関を開けて『ただいま』って言うと、奥から『お帰り』っていう。それが幸せなんだ」
ご本人もプライベートで離婚とか体験なさっている。扉を開けるとお帰りの声が待っている。そのことをちっちゃい声で。沁みるっておっしゃってましたよ