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まとめ・文字起こし+ココログ過去記事集。

NHK BS 100年インタビュー 王貞治 (抜粋)

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ボールが進んでくるとき ホームランだっ!とわかる

 

言葉は悪いけど、いただきっ!という感じ

手ごたえもないんですよ。芯で打てば痛くない。

 

技術よりも言葉で感じさせる。

 

有働さんが福岡まで王さんに会いに来た。

福岡在住16年。

東京とは違った形で、熱い思いで何重にも入っている。

自分のペースで好きなことをやっていいよと医者に言われた。

野球はやって楽しい、観ても楽しい。

ほかの事はすぐ飽きますけど、野球だけはね。

子供時代は弱かった。食べることがひもじい時代だし。

でも両親は食べることに不自由はさせないと。

だんだん頑丈になっていったんですけどね。

僕らはのびのびと育てられた。

日本の人にはよくしなさい、人に迷惑をかけないと父に教えられたが

教えを守りすぎたな、と。

あ、この記念館のシーンはこっちでも見たなぁ

RKB 王貞治 走り続ける人生 記事参照

王さんのバッティングフォームブックが

(←ぱらぱらマンガのようだった。モノクロ)

うちにあったのにどこいっちゃったんだろう。

雑誌「小学3年生」あたりの伝記マンガで

「やーい 王 王 三振王 ひっこめ」とやじられた後に

でかいホームランを打つシーンなんか今も記憶にある。

●日本からホームラン王ができた理由

飽きない 余韻を持たない すぐに新しいことにチャレンジできる

ホームラン打って動いているのは自分だけ。気持ちいいんですよ

1本でも多く打ちたいという気持ちを持ち続けられた。

中学時代から、なぜかわかんないけど

ボールを遠くまで飛ばせたんですよ。

そして早実で鍛えられ、好きなジャイアンツに入れた。

野球ではものすごく運がいいんですよ。

つらいと思ったことはない。練習やること自体も。

それをやるといいことが味わえる。

素質をいただいたこと、運がいいこと、体が頑丈だったこと。

4年目まではなぜ打てないのだろうと思っていた。

荒川さんと出会うまでも練習はしたんですけど

練習をすることによって打てる確率が上がった。

きっかけは荒川さんがコーチとして入っていただいたこと。

(選手の結果が出ずに)

将来の夢がだんだん小さくなるときに

「絶対いけるんだ」と言葉で

励ましてもらう。明るい光を感じさせるのが指導者。

教えるのに打ち込める人はなかなかいないと思いますね。

教える人の情熱がその後の人生を変える。

責任の重さ、仕事の大きさを他の指導者も感じてもいいんじゃないかと

思いますね。

指導が遅いのが原因で打てない人もたくさんいる。

一本足をしたら王のように打てると思ってはいけない。

タイミングを取るために一本足をやったんだから。

確率が上がっただけ。

そこを他の人は勘違いしてたんじゃないかと思う。

他の人には勧めない。

ボールをいいポイントで打ちたい。体の近くに入ってくるタイプだったから

少し早めに打ちに行くのができなかった。

一本足を取り入れることで前のめりにさばけるようになったってコトですね。

●スランプ

46~47年にかけての約1年。

それまでは順調に来てた。荒川さんが球団を離れて

ひとりでチェックするようになってから。

年齢的肉体的な変化もあって。

毎年おんなじじゃないんですよ。

手の施しようのない落ち込みでしたね。

わたしははっきり言って、ピッチャーによって変わってたんだよ。

自分のペースで打てるんじゃない。

相手に対してどう打つか。 基本形はありますが

試合に出るとバッティングは全部違います。

が、基本形に迷いが生じるので、ピッチャーではなく自分と勝負するんです。

スランプってのはバッティングのずれからスタートするけど

精神的なものが多いですね。

スランプの前の状態に戻ろうとするのは無理なんですよ。

今どうするか。バットの重さや長さを替え これなら打てそうだというのを探す。

これならいけそうだという明るい材料を求めて。

バットを持って、さあいらっしゃいと打席に立てるのが最高だけど

あの時は数えるぐらいしかなかった。

休んだからといって不安が飛んでいくわけじゃない。

気分転換でスランプを乗り越えたことはなかった。

野球人生の中の一大事と考えてやった。

●過ぎたことには関心がない。これからをどうするか。

次の打席はホームランにならないような球を投げてくるだろう、とか

常に考えるんです我々は。

余韻に浸ってる暇はないです。

年に2、3本しか打たない人であれば嬉しくて眠れないだろうけど。

自分を甘やかすことは出来なかった。

目標を下げるなんて絶対出来なかった。楽なことをやってよくなる保証はない。

長嶋茂雄の存在

持ち味は飛車と角のように違うから。

ボクはあんまり人目を意識したことがない。マイペースで。

スーパースターの過去は、ある日突然出てきてる。

徐々に徐々に、じゃないんですよ。

その分つらかったと思います。

練習もあまり見せられない。したくても出来ない練習があるんですよ。特打とか。

長嶋さんは特別。これからも絶対でない。

ONという形じゃなかったら、私もあそこまで打てなかった。

長嶋さんは僕がいなくても打てたでしょうけど。

1回しかない人生

打てた者にしかない優越感があるんですよ。偉そうでもなんでもなく

みんなからうらやましそうに見られるのは気分がいいですよ

打てていいなぁ、っていう。最高の気分をまた味わいたい。

●監督として福岡へ

巨人監督時代にできなかった采配を、福岡で果たせた功績はでかいぞ。

それにしてもホークスが勝てなかった頃の生卵映像は忘れたい。

でも(投げている)あの人たちがいちばんくやしいんですよ。

彼らの思いを変えられるのは俺たち。

横断幕で帰れ!と見せられるほどになにくそ!と。

最初からいいとは元々思ってませんし。

でも到達できるという気持ちは持っていました。

ホークスの監督を引退する映像は何度見ても泣ける。

ユニフォームを脱ぐなんてこんな味気ないことはないですよ

自分が流れを変えられる人生を味わってきたから。

やめて1年経ち2年経ちすると、みんなまたユニフォームを着たいって思う。

●意識改革に挑む

パリーグだし九州だし、

東京で同じリーグというよりはいいんじゃないかと。

友達は反対したけど。

よしっと思って福岡に来たんですけどね。

野球のときめきがほしくて福岡へ来た。

来てみてびっくりしたんですよ。

当時は勝とうとする思いがない。17年間勝てなくてそうなっちゃったんだろうと。

彼らに優勝を味わわせたい。

なかなか変わらなかったけど、尻尾巻いて東京に帰れない。

思い描いていたものと手に取れたときのものはぜんぜん違う。

当時の中内オーナーには感謝してる。

気持ちの上ではイライラしてただろうけど我慢してくれて。

2000年のリーグ優勝でチームがやっと変わってきたなと。

●選手たちに伝えたこと

ほんのちょっとしたことで白丸にも黒丸にもなる。

達川なんか私が打席に立つとごにょごにょ言って来て

打つ気をそごうとする。彼も勝とうと必死になってる。

なんのためにプレーするか。

最下位も優勝チームも練習量は変わらないけど「思い」の差。

きれいなホームランで勝つわけじゃない。

スローイングとか、盗塁とか。

本当にここへ投げるんだという思い。

●リーダーに求められるもの

社員にやる気を起こさせる方向性や可能性を感じる。

「気づかせ屋」気づかせる役。

監督やコーチの形にはめるわけにはいかない。

可能性を持った人が入ってくるんだから

今はダメでも絶対よくなると信じること。

片隅でも自分が役に立てたと言うのは こんな嬉しいことはないですね。

●今のプロ野球

アメリカにいくのも野茂君が切り開いた。

とめる訳には行かないから、次のスターを考えないと。

日米野球でもアメリカが真剣にやってくれるのは

日本が強くなってるからなんですね。

確かにチーム対チームの戦いになってきて

個人勝負じゃないですから。難しいと思いますけども

野球もまた変わってくると思うんですよ。

スーパースターは育てられるものではない。生まれるもの。

5年10年のうちに出てくると思ってる。

ボールがバットに当たって飛んでいくと気分がいいじゃないですか。

あの広いところに9人しかいないのに、ボールが転々と転がっていく。

それを阻止する。

自分の可能性を追い求めるしかない。

選手たちはもっと自分に自信を持ってほしい。

みんな不安なんですよ。勝負の世界は面と向かうから。

こんな球打てるんだろうかとかね。君はできるんだよと言う励まし方が必要。

硬式なんてあまりやったことがないのに応援してもらえる。

お茶の間のスターになれるわけですからね。

ぼくらもわかんなかったけど、やってるうちにこうなっちゃった。

1段1段、近道は出来ませんが登っていける。

100年後には塗り替えられるでしょう。

記録にこだわって生きているわけじゃないんで。記録は破られるためにある。

塗り替えた選手には「通過点だよ」と声をかけたい。

もういいやとおもったらおしまい。

常にもっともっと貪欲に

明日はもっといいことがあると思わないと楽しくないじゃないですか。

●理想の野球

情報過多の時代だけど、草野球がいちばん楽しかった。

もう戻らない。距離が変わらない限り100年後も繰り返される。

野球の魅力は変わらない。

三振を取ったときの誇らしげな姿とか、打ったときのガッツポーズとか

見守ってやってほしい。

オリンピックの正式種目からはずされちゃうスポーツだから

野球に触れる機会を僕らは作らなきゃ。

前に進むためには転ぶことも必要。自分から進んで転ぶことはないけど。

しんどいことの後にいいことは絶対起こるよ。