科学はすでにみんなが気がついてることを、もう一度言い直しているに過ぎない。
阿川 蜂に捕まった瑠璃星カミキリみたい
大学生の頃好きだったのは松田聖子。
記憶の中できらめく1曲は「青い珊瑚礁」
「聖子さんは歌うまいですよ。ポスターとかアルバムとかみんな買いました」
よくみりゃ同世代だから(51歳)ありうるな。
70年代は学生紛争があり
子供の頃は虫が好きで昆虫学者になろうとしたけど、
成長すると学者が絶滅危惧種になった。
80年代になると青い珊瑚礁から風が吹いてきた。
分子学としてもっとミクロなものを調べよう。
遺伝子ハンターになっていった。
●生命はやわらかいもの
ある部品がないならないなりに埋め合わせるようにピンチヒッターが来る。
動きながらバランスをとっているんですね。絶え間なくいつもいつも動く。
動いていることが実は大事なんだと。動的平衡。
●現代最も信じられている生物学
すべての生物は子孫を残すためにきゅうきゅうとしているわけじゃない。
アリは休みなく働くわけじゃなく、2割ぐらいは右往左往しているだけ。
2割はサボっている。が、いざというとき戦えたり、臨機応変に動くために
力を温存している。
何もしていない個体もたくさんいる。意外と何もしてないやつらがいる。
でも、彼らが自由であることで罪や罰がくるわけじゃない。
アブレメスが多くいる社会のほうが文化が発達する。
蟻は(働かないものに)嫉妬をしない。嫉妬しているのは人間だけですよ。
●生物学者が斬る社会問題
釣りバカ日誌の西田敏行さんみたいなのは、役に立たないことのほうが多い
けど、生物は許容しながらやっていくのだから。
種のどこかで生殖が成功してれば、他は何をやってもいいんだ。
人間だけが後悔をする生物なんだ。
●画家フェルメール
科学者としての一面があった。
彼が書いた昆虫のスケッチが緻密だったことに惹かれた。
刻一刻、分単位での移ろいを描きとめたいとしたのが
「二人の紳士と女」
二人は同一人物ではないか、と福岡先生の仮説。
なぞ賭け、開かれたクエスチョンが仕掛けられているんですよね。
「牛乳を注ぐ女」
牛乳が流れている時間。世界が常に動的だということを知っていて
私たちに知らせたいというものを感じている。
「天秤を持つ女」が好きなんだとか。
●基本的に細胞の世界は、関係によって成り立つ
受精卵が分かれていく間に相補的に役割分担をする。
自己主張をする細胞はがん細胞。
自分探しをしてはいけない。人との関係性から自分が何者かを感じる。
今心に響くのはジョージハリスン「ALL THINGS MUST PASS」
午後の夕立は夜までずっと続きはしない
・・・灰色の日々もいつか終わる
・・・すべては移り変わっていく すべては過ぎ去っていく・・・
学生時代に理数系を毛嫌いしていたことへの後悔。
10代の頃に理解できなかったことを今わかるようになると、ああ、あの時やってれば、と思う。当時は理科の教師が嫌いだった。
生物もそんなに興味がなかったし。好きにならなきゃ理解できないよね。