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まとめ・文字起こし+ココログ過去記事集。

【ボクらの時代】中村雅俊×田山涼成×小日向文世 息子、星一・春平の話

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小日向文世

コンサートスタッフ、付き人から初舞台まで

小日向:20歳の時に写真の学校行ったわけ。卒業して文学座に入れば役者になれると思って、受けて落っこちて。また来年受けりゃいいやと思ってる時バイト先の人が「中村雅俊さんのコンサートの企画してる社長さんが知り合いなんだけどスタッフ探してんだよ。やる?やればコネで文学座入れるかも」(笑)「やる!」(笑)やったのがきっかけ。だから田山さんも文学座じゃない

田山 同じ時期に多分試験受けてるかもしれませんね。僕は今から46年前です。一次試験は上智大学
小日向 俺も上智でした
田山 それはなぜかというと、中村さんがワーッと出て。文学座が一番難しかったの

小日向 30人の定員に6000人受けに来てたの
田山 だから一緒ですよ。男15人女15人
小日向 その時は中村さんと松田優作さんが看板で。文学座大人気だったの

中村 俺の前に桃井かおりさん、村野武範さん。ここしかないのかと思うぐらいデビューして
小日向 田山さん受かったの?
田山 俊ちゃんの前でこう(天狗のポーズ)すること無いだろ(笑)
中村 おれ13期で
田山 15期。一次試験で落ちていらっしゃいますね、そうしますと
小日向 簡単に落っこちた
田山 筆記試験で(笑)
小日向 それまで芝居見たことないもん
中村 そりゃ受かりっこないよ

小日向 中村さんのコンサート企画する会社に入って、給料6万円。俺コンサートのドライアイス係なわけ。ドライアイス作って、割って、インカムつけて、扇風機つけて、ドライアイスの煙を、中村さんが気持ちよく歌ってるところに送り込むわけ。終わったら片付けて送り出す。やってたら「ついでに付き人もやれ」ってことになったわけ
中村 付き人というより、ちょっと年下の弟分みたいな感じ

小日向 俺も早くあっち側行かなきゃなあと思ってた
中村 何年かして、ある日小日向から連絡来るわけよ。今度研究生のパフォーマンスがある、見に来て欲しいってんで。小日向が芝居をするってみたこともないし、芝居の話もしたことない。主役なんだよ。座った席が一番前の真ん中。もう目の前で付き人やってる小日向しかないのに、目の前で芝居してんだよ。俺緊張しちゃってさ

中村雅俊の言葉

田山 すごい親心
中村 セリフ大丈夫かとかすごい思って。俺の印象ではうまいなって。引き込まれていく感じがすごいあった

小日向 芝居終わって自由劇場の裏で中村さんが「俺はさ、おまえにね、仕事回すことが出来るよ。お前やっぱ嫌だろ?」「いやです」「自分で這い上がって来い」言ったんですよ。だからがんばりますと

中村 小日向が結構心配で。変なバイトやってんのよ。
小日向 ゲイバーがあったの。プチシャトーって
中村 そこで働いてるって言うから、行かなきゃいけないじゃん
小日向 そこで必ずショータイムがあるのよ。中村さんが「お前ここでもドライアイスやってるな」(笑)

役者にとって人気が出ること

売れる俳優の違い

中村 この商売って、才能もあるけど受け手側がいいって言ってくれるの、すごく大事なことじゃん

小日向 ずーっと劇団時代一緒に頑張ってきて、なんかの瞬間にうまい具合回っていく人と、なかなかそうじゃない、芽が出ないのは何なんだろうね田山さん、そう思わない?

田山 思いますけど。ひとつ言えるのは、ブツブツ文句言う、現場なりなんなりで、稽古のあいだもブツブツ文句を言ってる人は全て消えました。恵まれない役でも、口には出さないけど希望を持ってここで、って人は周りでも現役でいますけど。自分でやってることにグチグチ言ってる人は本当に消えて行きましたね。だから文句は言わないのがいいですね

小日向 中村さんみたいに一回パーンと上りつめると、維持していくのが大変だろうと思うわけ

中村 デビューが主役で、デビュー曲がオリコン1位なのよ。ということは、一発屋になる可能性もあるということ。しばらくしてやっぱりな,ってなっちゃうから、そのプレッシャーもあったよね。一発目で一等賞なったから、逆に覚悟ができちゃって。いずれどうせ一等賞はもらえないんだ、ってのがあった。だったらどうするか。いまやるべきこと、これでよかったんだなって繰り返しをしようというだけだったんですよ。かけもちしない。全部決めてやってた

小日向 かけもちしないって(笑)
田山 ぼくらはかけもち大変だったよ。コヒさんと出会った頃、6冊ぐらい台本持ってんのよ(笑)
中村 まって。話せば話すほど対極に

息子、妻の話

小日向 息子二人ね(俳優)やってんですよ※星一(青天を衝け 松平容保役)・春平(

田山 親としてはどういう感じなの

小日向 自分は好きなことやってんのにやるなとは言えないでしょ。自分が面白いと思ってやってきたことを本人たちもやろうとしてるんだから。唯一言ったのは「父さんはずっと食えなかったよ。劇団解散したとき42だから。42の時貯金なかったよ。その覚悟ができるんならやっていいよ」今のイケメンの、背が高いタイプじゃない。僕と背格好も一緒だし。こいつら苦労するだろうなと思うけど一生懸命お芝居たくさんやって、自分を磨いていきなと。

田山 どっか自分自身を見ているような感じがあって、ある意味楽しいんじゃないですか
小日向 挫折してもいいと思うの
中村 失敗はネガティブな言葉だけど、単純にいうといくつか繰り返して最終的に成功すれば

田山 ただ言えることは、妻にも恵まれましたし。だって、何も食えないわけですから。劇団でしたからギャラなんて発生しない。全然文句言わずに働いてくれたり。同い年で、二兎社にいた。結婚するんで、俺がやめさしちゃった。偉そうでしょ。女優やめろ、俺の女房になれと言っちゃったんですよ

中村 そりゃ責任を持つしかないよね
田山 ほんとうにつらかった。やめさしといてイタリア料理店のウエイトレスやって。彼女帰ってくるとニンニクの匂いとかアパートの中に。コヒさんも苦労されたんじゃない

小日向 外でほかの仕事見つけて来いとは一切言わなかったから。仕事ないからずっと家にいるわけよ
中村 別な言い方すると、ヒモみたいなもん
田山 しょうがないっすね。洗濯してたら彼女が「それだけはやめてくれ」
小日向 洗濯俺もさんざんしたよ。おむつ干してたら、道路はさんだ向こう側の喫茶店のガラス越しに目が合って、挨拶されたんだよ。俺そこから嫌でさ、しゃがんで干したんだよ。ずっとあの人は仕事行かないで洗濯...そんな時期あったよね。

田山 中村さんはないよね
小日向 洗濯
中村 そらあるよ。2人の話にそうそうって行けない部分もあるんで(笑)深層部はおんなじだなって思うとこあるよ。妻に対する部分とか。年取って、やたらと感謝みたいな気持ちがすごく出てきて(笑)娘が次々と集散してて、孫ができて。出産てこんなに大変なんだって目の当たりにする。俺が大変だって言ったら「そう、あなたはいなかった」って(笑)