哀川：俺は１６の頃から知ってるからね。今いくつ？
中野：５０になりました
哀川：ごじゅう？小沢さんと会った時は１９か２０。お前の先輩みんな顔がでかいの？
中野：イメージは柔道部の感じだったので翔さんの場合ネズミみたいな顔してる
哀川：なんだよねずみってお前（笑）
小沢：考えてみれば、あの時原宿のホコ天があって、一世風靡と知り合って飲んでから踊り見てたわけだから。その時翔さん踊ってるわけじゃん。ひで裏方にいるじゃん。この出会いは原宿のホコ天からだな。そう考えるとすごいな
哀川：入っちゃえばよかったのに
小沢：ダメだよ。翔さんとジョニーさん（柳葉敏郎）いてさ、そこに俺が入ったら最悪だろ？そういうことだよ。大変だったろお前？
中野：大変でした。
小沢：だってまだ役者にもなってないから。お付きみたいなもんでしょ？もう飲み会でひどい扱い受けてたの、俺ずっと見てたから。
中野：夏に「柿買ってこい」って言われたから。真夏に。
哀川：言ったっけ俺
中野：言いましたよ。コンサート会場で「俺柿が食いてぇ」地方のコンサート会場に行くわけですよ一世風靡で。皆さん用意してる間に言いたいこと言うわけですよ。「Tシャツがない」「靴下がない」「柿買ってこい」夏ですよ
小沢：お前悔しくないのか。公園で腹筋鍛えたりジョギングしていつか見返してやるって言ってたじゃないか。
哀川：この食い込み方は凄かったねぇ。ヒデと勝俣。二人で文句タラタラ言いながら帰ってきたらしいよ。
中野：僕が運転して勝俣横乗せて「絶対あいつら殺してやる、いつか殺してやる」
小沢：俺が感動したのはチョロ（「愛という名のもとに」）で来たじゃん。よかったなって。
哀川：若い子に「チョロ」って呼ばれて「チョロじゃねえんだよ」って、すねてたな。
小沢：ニックネームのある役で出ると、それが先行するから嫌だな
中野：竜雷太さんに聞いたんすよ。ゴリさんって役じゃないですか。何やられてても「ゴリさん」って言われるの嫌じゃないですかって聞いたら「お前役者やってて、一つの役をそうやって言われるのって いいことなんじゃないの？そう思うしかないだろ。寅さんなんかどうすんのお前」
哀川：なんて言われてんの
中野：そら「寅さん」ですよ（笑）
哀川：俺も「ツネ」って（「とんぼ」：常吉）あれがなかったら芝居やってないね。おれ柳葉んとこ電話してさ「セリフどうやって覚えんのよ」「ん～そうね、慣れ！慣れ慣れ！」って言われてもねえ。慣れてねえんだよ俺。
中野：翔さんが子分になってんの見たことなかったから、長渕さんの事超嫌いでしたよ
哀川：俺パシリやらしたら日本一。結構すごいよ。
■やんちゃな若き日々
小沢：なんとか上に食い込んでやろうって必死でしょ
哀川：昔はよく飲みに行ったりしてた。若いときゃ。今ないもんね。
小沢：好きだなって思う先輩の俳優さんは必ず飲み屋でしか会わなくて。俺は全く関係ないのになぜかトラブルにあって。和泉聖治って酒乱の監督がいてね。あの男のおかげで俺は大変だった。一緒にいた役者の頭をボトルでかち割って、急に。（松田）優作さんにもいきなり「コノヤロー」優作さんも立ち上がって「コノヤロー」先輩たちもそうだったけど、役者って不良しかいないの。
哀川：俺たちも３０代までは、打ち上げやって喧嘩やらなかった日はないもんね。
中野：しあわせなよのなかになりましたね。
小沢：昨日とは違う理由で喧嘩やったりするっていう・・
哀川：芝居がどうこうっていう理由じゃない前に喧嘩があったってことだよ。今はその戦いがない。
小沢：翔さんは、基本的に周りがほったらかし。やりたいようにやれば？みたいな。（中略） 翔さんとやってると、立場がはっきりしてるからやりやすい。
恋愛・結婚・夢
中野：翔さんの場合は、硬いというか自分、女房は中学生の時から知ってましたから。好きな先輩としてずっと来たから。一世風靡の頃に。付き人の頃結婚したから。
小沢：どこを基準に普通って言うの？俺の人生、酒と女と映画だけだよ。
哀川：普通じゃない。子育て、趣味、長生き。子供が生まれた時、人生で一番辛い経験しましたよ。「やべえな俺、死ぬかもしれないな」って。「修行かよこれ、逃げるわけにいかねえ」学ぶことだよね。夜は会うことないけど朝は起こすよね。やり取りがある。俺文句言われたこと一回もねえ。親が怖くなかったらおかしくなっちゃうぞって。子供の同級生なんか異常によく知ってんだよ。一緒に酒飲んだりするし。魚釣りたかったら普通に教えるだけでね。仕事はやんなくちゃいけないんだよ。モノ買うのにお金が必要なのと一緒。
小沢：「プロジェクト」出て考古学者になりたい。美女が海の底で俺を待ってんだよ。クレオパトラを引き上げるんだよ。
哀川：１００まで生きて、シニアのオリンピック出ようよ。
※小沢仁志が一番年上かと思ったら違っとった。
