徹子の部屋 古舘伊知郎 父母姉の死を乗り越えて。

７７年テレ朝入社。
徹子の部屋スタートは７６年２月。
６回出演したって言うけど見るの初めて。

家族の中では一番の無口。
父は大学の弁論部だった。一時政治家を目指したが学徒出陣、戦後は諦める。
要所要所で熟語を使うので、その影響。
中身があるかないかは別として、おふくろと姉貴はうるさい。
一家揃ってみる「大正テレビ寄席」
家庭内で一番しゃべりが下手だと決めつけられたことへの反発と
みのもんたの「セイ・ヤング」を聞いたことでアナウンサーに憧れる。
スポーツ実況になった時には嬉しかった。体が爆発するような感じ。
徹子：あなた、なんか競馬の実況やったことあるでしょ？驚きました。よくこんな馬の名前の面倒くさいの言う人のがいるなって。めんどくさいじゃない？犬の・・いや馬の名前って。
古舘：ドッグレースもありますけどww

競馬には杉本清さんて、関西テレビに大先輩がいまして。
この方が馬の名前を覚えるのが苦じゃない事を教えてくれた。
「何もない襟裳から春を告げるか、エリモジョージ」
実況してて気持ちいいんですよね。
メインは新日本プロレス実況だったんですが
喋ってて楽しくて楽しくて。
徹子：口から出まかせみたいのが。

プロレスの実況に場外乱闘がありまして
あることないこと言えたので楽しさがありましたね。
徹子：「報道ステーション」はずいぶんきをつかってやってらっしゃると。

１日ニュース漬けですよ。新聞は全部読みきれないですけれど。　
6紙とってて読み比べるんですね。

徹子：ずいぶん若いときにお姉さまとか家族亡くしてらっしゃる
６つ上の姉が、３７の時、癌で亡くなりまして。
３回手術した挙句４２で旅立ちました。
子供も小さかったのでもう少し長生きしたかっただろうなと。
だいぶ経って、父はサラリーマンで出世して
76で心筋梗塞で、誰にも迷惑かけずに。９８年に。
報道好きで大連で育ちましたから
NHKニュースとNHKの民謡しか見なかった。
母は２年半ほど前、一人暮らしでかわいそうだったんですけど
癌で亡くなりまして。84で。
親孝行したいとき親は無しとならないように
最後の最後まで寄り添いまして

姉が闘病中の時、母は毎日「私が代わってあげたい」と祈ってたら
おふくろが病気になっちゃって
奇しくも姉貴が長く入院してる同じ病院のワンフロア下の同じ部屋に入院して
同じ病気だった。こういうことってあるんだな親子で。
見舞いの帰りにオヤジと寿司屋に入りまして酒飲んで甘えもあったのか
「両方入院しちゃってまいったね。」って愚痴ったら
「伊知郎何言ってんだ。早く寿司食わなきゃ。
　酒飲んで、早く寝て、仕事行って。毎日がそうやって続くんだから
　さ、帰ろ帰ろ」って。
一切愚痴を言わない昔の気骨を持ったひとだった。
父はクリスチャンで、日曜礼拝に毎週行って
朝６時半に起きて洗面も済ませ、きちっとスーツに着替え
玄関先に靴も揃えてある。
母と一緒に礼拝に行くのに「お前は体調が悪いのだから一人で行く」
リビングルームに座ってるところでどーんと（心筋梗塞が）来たんだと思う。
窓とベッドの隙間で横だおれのようになって。
人になるべく迷惑をかけないようにしてるひとは
死に方も生きるようにしか死ねないんだなと思いましたね。

徹子さんにテレビの揺籃期を聞きたいんですよね。
「伊知郎の部屋」みたいに。

僕がおしゃべりだからって、脳を調べたら
機能的におかしな脳だったんですよ。
徹子さんおしゃべりだから。
女性の場合は、左にメインの言語野って言葉を司る脳と
右側にバックアップのための小さな言語野がある。
男は左側しかないので、だから女性の方がおしゃべりなんです。
徹子：電話しながら片手で掃除できるけど、男の人は出来ないんですって？
できないんです。男はしゃべりに集中するから。
だから夫婦喧嘩が絶えない。
男に「結論から言え」って言われてもいくつもあるって女性は思うでしょ。
僕の場合は右の言語野も女性脳。
右も大きめで、真ん中をつないでる脳梁（のうりょう）ってとこが
かなり大きくて。木更津と川崎をつなぐアクアラインみたい。
テレ朝から降ろされるまでは
ニュースキャスターとして、見てる方に奉仕できないかと。