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まとめ・文字起こし+ココログ過去記事集。

ボクらの時代 柳家喬太郎×柳亭市馬×桂米團治 高座にかけない裏噺

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どう見ても柳家喬太郎が一番歳上に見えるが、実際は3人の中で一番年下(50歳。柳亭市馬は52歳。年上は桂米團治:55歳)

喬太郎:俺が一番年上なん
市馬:しかも米朝師匠のご長男
米團治:ねぇ~御曹司と言われながらも馬鹿にされてますよね。僕たちも(林家)正蔵さんを馬鹿にしてませんか?
市馬 :なぜここに正蔵さんの名前が出るの?
米團治:いやいや、落語協会員として
喬太郎:三平はちょっとしてるかもしれませんよ。んなことないですよ。木久蔵もちょっとしてるかもしれない。
米團治:逆に僕はお二人のように、噺家の家じゃないけれども、ずっと積み上げてこられて落ち着きのある居住いが綺麗なので、お二人に憧れてました。だから今日楽しみにしてました。
喬太郎:大先輩にそんなこと言われたら穴があったら入りたい
市馬:(掘りごたつを指して)あるよ

出会い、落語界のイケメン


市馬:アタシは覚えてますよ
米團治:え?30年前に会ってた?
市馬:あたしゃ、いい男ってのはこういう人のことを...これホントですよ。あっら~やっぱり大阪の人は違うな
喬太郎噺家も最近イケメンとかってね
市馬:基準がわからない
米團治:来年の上方落語協会のカレンダー。毎年三枝改め文枝会長がどんなカレンダーで行こうって考えるんです。毎年この時期に。来年はイケメン噺家を載せるってんで、女流噺家たちが集まって講評を加えだした。独身部門の1位が、ざこばさんのお弟子さんのあおば君。黙ってたらすごいかっこいい。既婚者部門は私(笑)お二人は、親御さんって?
市馬:あたしゃ、親が馬じゃない。一応人間なんです(笑)ボケもせずまだ達者でおります。
米團治噺家とは違う世界の親御さんだから、着実に前座から積み上げて、完成された時にスポットライトが当たるじゃない?でもあたしは、入門して2ヶ月目にフラッシュ浴びたんです。初舞台で写真とか撮られる。冷や汗タラタラ流れる。全然できない。で「このサラブレッドは足が折れてる」
市馬 :大変そうやけど、そうは見えないところがすごい。
米團治:なんや阿呆と同じに・・何も考えてなかったみたいに(笑)
市馬: 米朝師匠の稽古ってどんな稽古ですか?
米團治:うちの稽古?覚えが悪いと「なんで同じこと言わすんや!」キセルをコツーンと叩くのがパコーン音がして殴られるのがまだマシみたいな・・厳しかったですね。小さん師匠は?
市馬:稽古つけません。勝手に覚えろって。
米團治:え?1回もなし?
市馬:1回も。あたしは剣道をやってたもので。あたしの剣道の先生、その先生の先生が小さんのお友達で、師匠に会う前に弟子入りが決まってた。師匠はその頃もう忙しく「おい、稽古するぞ!」って言うからこっちは「いよいよ稽古してくれるんだ」1枚だけ持ってた、おふくろが縫った浴衣。帯も締めらんない。なんとかカッコつけて締めて待ってたら師匠が竹刀一生懸命振って「いつまでそんなうすみっともねえ格好してんだ!俺が剣道と言ったら剣道の稽古だ!」2時間ぐらい剣道の稽古


収入、弟子、結婚事情


喬太郎:下世話ですけど、いつ頃から食える感じに?
市馬:10年...7,8年ぐらい...一席やっていくら、何分やっていくらって東京は決まってないから。
米團治:東京は単価ないってホンマ?僕らよく聞くから。高い人は高いんだ。喬太郎さん安いの?
喬太郎:いろんなお仕事がありますよ。
米團治:単価何十万てのもあるし、何千万ってのもあるから同じことやってても差はあるし。芸人で不思議なのは稼げたら稼ぐほど使う方も出て行きますよね。
喬太郎:上が下にご馳走する世界ですしね。市馬さん、お弟子さん何人いてるの?
市馬:5人。
米團治:うちは3人居てるんですけど、オヤジがずーっとやってきてて「子供育てるんやで」言ってましたから。高校卒業したぐらいの子供が、ある日ウチにやってきたと思いなさいと。
喬太郎:うちは取ってない。
米團治:なんでとってないの?
喬太郎:ずっと前に取る方向で思ったことあったんですけど、カミさんにも言って、その子とも会う感じで。でも直前にとある会に出演して、自分で思うところがあって、臨んで終わってからものすごく考え込んでしまって「こんな精神状態じゃ取れない」とお断りしました。その子には全部正直に話しました。悪いことしました。

市馬:勝手に向こうから来るんだから。気持ちもわかるけど、あんまり真面目に考えてたら。あいつらねぇはぐらかすからね。こっちの期待とか思いとか考えちゃいるんだろうけど(5人のうち何人?)全員ですw教えるとか導くのは一切ない。あたしを見ててそうしたけりゃすればいい。

米團治:教えることは教わることだからね「お前なんでこんなことができへんねん」見たら、俺がそうやってた。俺がやってんのは教えたらわかる。いちばんしんどかったんはうちの母親ですよね。好き嫌いのある子の晩御飯もし・・独身でしょ?

市馬:そらわけがあってね(爆笑)語るも涙。大した理由もなく。そういうことが理由なら分かりいいんだけど
米團治:性の不一致?
市馬:一致してないね。
米團治 :どうしてみんなこの話したら扇子で扇ぎだす?喬太郎さんとこは?
喬太郎:継続中。せがれがひとりいて今年成人式。
市馬 :二人とも似たところはあるんだけど、危険な香りがしないでしょ。

米團治:僕はマジになる。遊べない。むしろ惚れてしまう。一夫一婦制に問題があるんですよ。噺家って廓噺するでしょ。家帰ったら一夫一婦制守らなあかん。不倫や浮気やいう。おかしい思いません?平安時代まで行きましょか?光源氏紫式部ですよ。あの時代に女流作家が男の女遍歴描いて。それがありながらどうして一夫一婦制なの?かつて月亭可朝さんが一夫多妻制にするゆうて見事落選。日本が今そういう気分になっててちょっと怖い。「遊びをせんとや生まれけん」後白河法皇梁塵秘抄を。遊びを生活の原点として、我々落語家は最先端を行かねばならん職種なんですよ。父が舞台で「不倫いう言葉はおかしい思うんですよ。ちょっと前まで、自分の子供や姉妹とおかしい仲になることを、道に外れるいうて不倫と言うとった。人の嫁さんぐらい 不倫でもなんでもおまへんのや」僕国宝剥奪されるのかと思った。


喬太郎:怖くないカミさんなんか世の中に...ここホントにカットして下さいよ。
米團治:うちも怖いよ。ただいまの代わりに「ごめんな」言うて帰る。人生いつも芝居「フィガロの結婚」の最後が「許せ妻よ~許せ許せ♬過ちは誰にもあるもの♫タラタラ♫」


喬太郎:聞いてるか皆(笑)
米團治:人間愛の究極は許し。

追記:2017.2.21
徹子の部屋柳家喬太郎出演。春風亭昇太(4歳年上)からメッセージが届く「非常に繊細な古典落語ができ、創作能力も高い。バランスの取れた噺家柳家喬太郎を知らなければ落語ファンではない。レジの前に出ると後輩らしくなる」昇太さんは子分肌。見た目も感性も若いと喬太郎さん。「お母さんお腹すいた!味が薄い!」というと昇太師匠が「うるさい!」どこに出しても恥ずかしくない独身。

高校時代帰り道に「一人徹子の部屋」をやっていたそう。
書店員から落語家に。