「波乱万丈ドキュメント 俺たちはプロ野球選手だった 戦力外通告」
昔から「プロ野球選手名鑑」を読んでいた。前年のものとその年のものを見比べて、消えている選手を見つけるのが、癖になっていた。
登場した元選手たち全員思い入れがある。
だから１時間中驚きっぱなしだった。登場した中では條辺剛がいちばん若い。
２４歳で戦力外になったのだから、はた目から見れば「たった５年で使い捨て」
辞めてからはどうしているのか、まだ若いんだから野球にはかかわっているはず・・・と。でも彼は、さぬきうどんの店を開くべく奥さんと修行中だった。入来智（兄）も惣菜屋の営業やったり、いわゆる「堅気」の仕事に就いていた。ただし彼の場合は再現ドラマも見せてくれて、これが本当にドラマチックだった。学生の頃から遠距離恋愛していた相手ではなく、別の女性と一旦結婚するが、その後離婚して戦力外にもなり、一文無しのやけっぱちで「目が死んでいた」（→奥さん談）状態で元カノに再会し、再婚して再就職へ・・・という「恋人たちの予感」もまっつぁお（死語）な人生なのだ。
見ていて思わず「うおりゃーっ！」とわめいてしまったのは福井敬治。彼は最初巨人にいて、やがて広島に行ったのだが、まだ辞めてないと勝手に思っていた。欽ちゃんでおなじみの茨城ゴールデンゴールズでお笑いの修行中らしい。確かに昔の名鑑には「好きなタレントは（天才卓球少女の）福原愛ちゃん」などとぶっとんだ記述が残されている。でも元極楽の山本のポジションて、福井にするつもりなんかな欽ちゃん。「ずっとお笑いやるかどうかわからん」とか、不安そうに言うてたぞ彼は。
伊良部には安心した。やっぱり人生もクラゲだ。趣味が「骨董収集」だっただけあって、今も「ブックオフUSA」通いをしているではないか。なんか新庄的。もう日本なんかつくづく戻りたくないんでしょうね。この人、嫌いではないよ。「わがままで何が悪い」と言いたげだもん。英語がまだニューホライズンだけど。それにしても「ヒデキ」はメジャーリーグが好きだな。伊良部に松井に岡島。うちの坊主の名前も「ヒデキ」にすりゃよかった。最初命名候補にあったんだけど、却下されててよう。
あきらめない宮地克彦。それもひとつの選択ではあるけれど、今回一番案じてしまったのは芝草宇宙だ。５月に台湾で戦力外になってからは、帰国して家にいる。てことは、専業主夫なのか？表情に覇気がない。心配だ。
野球人生がスタートしたばかりの我が坊主に、こんな現実を見せていいのかな？坊主は「担任の先生が社会人野球から学校の先生になったから、俺も社会人野球に行きたい」らしい。「野球やめても仕事ができるから」とも言ってたな。大きくなったら、社会人のチームが不況で減ってそうな気がするんだが。今そこまでは言うまい。
2017.1.23
10年ぶりに読んだ。我ながらへたくそな文章。無駄が多い。以下、その後。
伊良部秀輝 2011.7.27 自殺
宮地克彦 2016年、ベースボールチャレンジリーグ・栃木ゴールデンブレーブスヘッドコーチ就任
芝草宇宙 2011～12 日本ハム１軍コーチ、2013年から日本ハムチーム統括本部アマスカウト
2021.2
坊主 書いた当時小４。2017年1月現在、19歳。大学野球。2020年～社会人野球
福井敬治：タレント活動からは身を引き、少年野球指導者、巨人OBスカウト
宮地克彦：エイジェック女子硬式野球部ヘッドコーチ
芝草宇宙：帝京長岡高校野球部監督
